個人的にはちょうど僕が大学時代だった頃で、結構熱心に情報収集をしていたころです。
1992年の初めに「マジック・アンド・ロス」が発表され、春に「マジック・アンド・ロス・ツアー」の来日公演のチケットが発売されました。ちょうど東京に住み始めたのでチケットを購入し、その予習として海賊盤を手に入れワールドツアーの前半ヨーロッパ公演を聴いていました。その頃はインターネットはもちろん無く、情報は雑誌や海賊盤屋でしか手に入らない時代でした。雑誌では「ルー・リードのヨーロッパ・ツアーでは、マジック・アンド・ロスを全曲演奏している」と書いてあり、実際、ヨーロッパ・ツアーの海賊盤で「マジック・アンド・ロス」の全曲再現を聴くことができました。ですから、来日公演(7〜8月)も当然全曲再現されるものと思っていました。ところがいざライブに行ってみると一曲目が「スイート・ジェーン」で、びっくりした覚えがあります。もっともライブは「マジック・アンド・ロス」を中心にしたセットリストでした。
その来日公演を記念してか92年夏までに、70年代後半から80年代前半までのアルバムが国内盤CD化され、ルー・リードのすべてのアルバムがCD化されました。また8月に書籍「ルー・リード詩集 / ニューヨーク・ストーリー」と「ルー・リード / ワイルドサイドを歩け 」が発売されました。
93年になると、「ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの再結成する」という記事が雑誌に載りました。「ほんまかいな?」と思いましたが、実際にヨーロッパツアーが開始され、そのパリ公演の模様が雑誌(ミュージック・マガジン)にレビューされました。ほどなく公式にその時のライブもCDとビデオも発売されました(僕自身は海賊盤で先に聴いていましたが)。またその再結成にともない、再結成VUでのレコーディングもしているという記事がのり、また来日公演の期待もかなりありました。しかしいくらたっても来日公演の発表はなく、ほどなくして「リードとケイルがけんか別れをして再結成VUはフェードアウトした」というような記事が掲載されました。けっこうがっかりした覚えがあります。実際、この再結成ツアーはヨーロッパのみで、全米ツアーも行われませんでした。
95年から僕はインターネットを使うようになったのですが、まだまだ黎明期、それほどネットからの情報は入りません。96年初めに発売されたアルバム「セット・ザ・トワイライト・リーリング」も、発表されることを知ったのは雑誌でした。その年の春に来日公演が発表され、9月に行われました。僕は関東の3公演を見に行ったのですが、2公演目の赤坂ブリッツ公演はライブハウスの公演ということもあり、酒を飲みながらきけるというなかなか素晴らしい思い出です。その日のアンコールでは「Walk On The Wild Side」のあとになんとVU時代の名曲「Pale Blue Eyes」が演奏されました。前日の初日の公演では「Walk On The Wild Side」が最終でしたので、かなりうれしかったです(「Pale Blue Eyes」が演奏されたのはこの日のみ)。また最終日の新宿公演はワールド・ツアーの最終公演にあたり、最後の曲「Walk On The Wild Side」でローディーたちがステージに登場して20人くらいで合唱するという演出でした。「ルー・リード」らしくないこの驚きの演出でしたが、ルー・リードの別の一面を見たようでした。
97年頃には随分とインターネットでの情報も入ってくるようになりました。ルー・リードがロック・オペラを作っているらしいという噂も入ってきて、そんなオペラが見れたらなぁと期待しました。ただ、そのオペラ(「タイム・ロッカー」)はニューヨークのみの公演だったと思います。
98年4月にはライブ盤「パーフェクト・ナイト」が発表されました。個人的には初任給で買った初めてのCDなので、思い入れも強いです。